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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2015年10月21日 (水)

第181回目の話題:薬としての食品:人参(1)

第181回目の話題:薬としての食品:人参(1)”です。今回は、ABCのHerbalEGramの新しい記事シリーズの“Food as Medicine”により取り上げられた植物を紹介します。日本にも”薬食同源“という言葉がありますが、本シリーズではそのテーマに沿って身近な食品を取り上げています。1回目は”人参“です。

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フリー百科辞典ウイキペデイアより

<原文>

Food as Medicine:

Carrot (Daucus carota, Apiaceae)

Range and Habitat

Ubiquitous at any supermarket, the common root vegetable carrot (Daucus carota, subsp. sativus) is a biennial plant that is an excellent source of vitamin A (one cup contains approximately 600% of the recommended daily value) and fiber.1 Indigenous to Europe as well as parts of Asia and northern Africa, carrots now are cultivated commonly in a wide range of environments as they can withstand frosts.2 The colorful varieties of carrots as well as their hardiness make them popular with home gardeners.

 <意訳>

歴史および伝統的な利用法

生育範囲

 どのようなスーパーマーケットにも広範囲に存在する、一般的な根菜である人参(Daucus carota, subsp. sativus)は、ビタミンA(1カップに推奨される毎日の値の約600%を含有する)と繊維の優れた供給源である隔年植物である。1 ヨーロッパおよびアジアと北アフリカの一部が原産である人参は、霜を耐えることができるため、その環境の広い範囲で一般的に栽培されている。2 カラフルな品種ならびにその耐寒性により、ホームガーデナーに人気がある。

 <解説>

人参とは

 ニンジン(人参、学名:Daucus carota subsp. sativus)はアフガニスタン原産のセリ科ニンジン属の2年草です。

 栽培ニンジンは、世界の温帯地域で栽培されている最も重要な根野菜の一つです。栽培人参は白っぽい/アイボリー色の根を持つ野生のニンジンに由来しています。最も人気のある、オレンジ色の根をもつニンジンは、黄色の根の栽培化された品種に由来しています。

 ニンジンの原産地は、今のアフガニスタン周辺であると考えられており、そこより東西に広範囲に広がり世界各地に伝播したと考えられています。大きく、オランダを通りイギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われた西洋系と、中国を経て東方へと伝わった東洋系の2種類に分類することが可能です。東洋系は細長く、西洋系は太く短いのが特徴で、ともに古くから薬や食用としての栽培が行われてきました。

 日本への伝来は16世紀で、この頃は葉も根と同様に食用としていたようですが、明治時代以降では一般に根のみを食べるようになったようです。江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流でしたが、栽培の難しさから生産量が減少し、現在では西洋系品種が主流になっています。

 今でも日本で栽培されている東洋系の人参としては、“京ニンジン”とも呼ばれる赤い色の“金時ニンジン”が代表種です。

<原文>

Phytochemicals and Constituents

 avored for their sweet flavor and versatility, carrots not only supply an impressive array of vitamins and minerals, but also contain carotenoids such as alpha- and beta-carotene, lycopene, and the flavonoid quercetin. Though the orange carrot is the most well known in modern times, carrots appear in a number of colors including white, yellow, red, and purple.3 In fact, purple was the prevailing color for carrots until about four hundred years ago, when popular theory claims that the unusual orange variety was cultivated in Holland as a sign of Dutch nationalism to honor William of Orange. The exact reason why the orange cultivar became the dominant variety is unknown, though genetic evidence suggests that orange carrots developed from yellow ones.4

The different colors of carrots reveal their various concentrations of phytochemicals.5 Carotenids give yellow, orange, and red carrots their colors, while anthocyanins produce the deep purple variety. Orange carrots contain high quantities of beta-carotene. Yellow carrots contain low quantities of beta-carotene, but higher levels of lutein, which may protect from age-related macular degeneration and be beneficial for eyesight. Red carrots contain lycopene — a potent antioxidant with potential anti-cancer activity — in concentrations similar to that of tomatoes. Red carrots also contain moderate levels of alpha- and beta-carotene and lutein. Purple carrots contain high levels of anthocyanins, antioxidants that have anti-inflammatory and cardio-protective properties. The white variety has low levels of these phytochemicals, but contains high levels of potassium.

 

 

<意訳>

植物化学物質と成分

 

その甘い香りと汎用性が好まれているニンジンは、ビタミンやミネラルの印象的な配列を供給するだけでなく、α-およびβ-カロチン、リコピン、フラボノイドのケルセチンなどのカロテノイドを含んでいる。現代では、オレンジ色のニンジンが最もよく知られているが、ニンジンには、白、黄色、赤、紫などの複数の色が存在している。3 実際には、紫色のものが、およそ400年前までニンジンの支配的な色であったが、一般的なセオリーでは、オレンジ公ウィリアムを称えるためのオランダナショナリズムの印として、オランダで珍しいオレンジの品種が栽培されたとの主張がなされている*1。オレンジ色の品種が支配的品種となった正確な理由は不明であるが、遺伝的証拠はオレンジ色のニンジンが黄色のものから開発されたことを示唆している。4

 

ニンジンの異なる色は、その植物化学物質の様々な濃度を示している。5、カロテノイドは、黄色、オレンジ、赤人参にその色を与える。一方アントシアニンは深い紫色の品種を作り出す。オレンジ色の人参は、ベータカロチンが大量に含まれている。黄色の人参は、β-カロチンは少量であるが、ルテインを高濃度で含んでおり、ルテインは加齢による黄斑変性症から保護し、視力にとって有益である可能性がある。赤い人参は、潜在的な抗癌活性を有する強力な抗酸化物質-リコピンをトマトと同程度の濃度で含んでいる。赤い人参はまた、α-およびβ-カロテンおよびルテインを適度なレベルで含んでいる。紫色の人参は、抗炎症性および心臓保護特性を有する抗酸化物質であるアントシアニンを高濃度で含んでいる。白い品種はこれらの植物化学物質は少量であるが、カリウムが高レベルで含まれている。

<解説>

 ベータカロチンはカロテノイドの1種です。カロテノイド(carotenoid)は、自然の植物で見つかっている植物色素であり、いくつかの果物や野菜の鮮やかな色に大きく関与しています。カロテンの名はニンジンの英語名の“キャロット(Carota)”に由来しています。カロテノイドは一般に8個のイソプレン単位が結合して構成され基本骨格を持つテルペノイドの一種でもあり、テトラテルペンに分類されています。カロテノイドはさらにカロテン類(ベータカロチン、リコペンなど)と、キタントフェイル類(ルテイン、アスタキサンチンなど)に分けられます。ベータカロチンなどカロテン類の一部は、体内ではビタミンAの製造の前駆体であるため、しばしば「プロビタミンA」と呼ばれています。いったん摂取されると、ベータカロチンはビタミンA(レチノール)のいずれかに変換され、体はさまざまな方法での利用が可能と成ります。また、有害なフリーラジカルの損傷作用から、細胞を保護するための強力な抗酸化物質として機能します。典型的な食事のビタミンAの50%ほどは、ベータカロチンや他のカロテノイドによって提供されています。

 ベータカロチンは、健康な肌を維持するのに役立ち、また、目の健康に重要な役割を果たしています。また必要量の摂取により、冠状動脈疾患、脳卒中、黄斑変性症、および他の加齢関連疾患のリスクを低下させる可能性があることが示旬されています。

 リコペンは、ベータカロテンと同様にカロテノイドに分類され強力な抗酸化物質です。このことは、細胞に損傷を引き起こすフリーラジカルを「鎮める」ことにおいて平均よりもよい大きな能力を持っていることを意味します。過剰なフリーラジカルの損傷は、心臓病、アルツハイマー病および多くの癌の発症だけでなく、老化の加速に関与しています。リコペンはカロテノイドですが、ベータカロテンと違ってビタミンAの前駆体ではありません。

 アントシアニンは、植物中に広く存在する植物色素です。アントシアンは、アントシアニジンと糖や糖鎖とが結びついた配糖体です。フラボノイドの一種で、抗酸化物質として知られています。

 以下次号。

                        記、訳 阿部 俊暢

筆者注

*1オランダ独立の英雄、オレンジ公ウィリアムにちなんで、当時オレンジ色が好まれたとされている。

参考資料

*  世界人参博物館のウェブサイト

 http://www.carrotmuseum.co.uk/history2.html

*  英国王立植物園『ハーブ大百科』

*  フリー百科事典ウイキペデイア日本語版、英語版

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