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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2015年3月

2015年3月14日 (土)

朝鮮人参業界の問題の根源(2)

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のための海外ハーブ事情

第173回目の話題:朝鮮人参業界の問題の根源(2)”です。米国植物協議会  The American Botanical Council(通称「ABC」)の(ABC  HerbalEGram2015年1月号)のリンク記事の翻訳記事の解説です。

http://cms.herbalgram.org/heg/volume12/January2015.html

 

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フリー百科事典ウイキペデキアより。

前号より続く。

 前号の記事で取り上げられている植物のアメリカ人参は、日本でも有名な薬草の朝鮮人参の近縁種で、中国ではその代用種として広く利用されています。

 

1.アメリカ人参について

 アメリカ人参(西洋人参・学名Panax quinquefolius)は、ウコギ科トチバチンジン(Panax)属の植物です。アメリカ合衆国北東部からカナダ南部の森林地帯原産で、ニューヨーク州のカッツキル山地からマサチューセッツ州のバークシャー山地、北はカナダのオンタリオ州、西はアイオワ州、南はアーカンソー州とケンタッキー州、東はアラバマ州、ジョージア州、テネシー州、ノースカロライナ州、バージニア州の高地一帯に分布しています。草丈約25cm。根は紡錘形に肥厚し、肉質です。花期は7月。茎の頂の散形花序に緑白色花を多数つけます。

 

2.トチバニンジン属の植物について

 トチバニンジン(Panax)属は、ウコギ科の属のひとつです。トチバニンジン属の植物は塊根をもちゆっくりと成長するのが特徴で、薬用成分ジンセノシドを含み、薬用植物として利用されています。トチバニンジン属の種の多くは北半球の冷涼な地域(主に中華人民共和国、シベリア、朝鮮半島)に自生しています。最も有名な種は朝鮮人参として知られるオタネニンジン(Panax ginseng)です。ベトナムに自生するベトナムニンジン(Panax vietnamensis)はもっとも南に分布する種で、アメリカニンジン(Panax quinquefolius)は北アメリカ北東部に分布しています。日本にはトチバニンジン (Panax japonicas)が自生しています。

 古来より、主に根が東洋医学の生薬として重用されています。栽培されたものよりも野生のものの方が薬効が強いとされるため、野生の個体群はしばしば乱獲されて数を減らしてきました。野生のオタネニンジン、アメリカニンジンなどはワシントン条約などの生物保全法で保護されています。チョウセンニンジンが興奮作用を有し、循環器系への作用が強いのに対し、アメリカニンジンは熱をとりさる効果があるため循環器や呼吸器への負担を与えないのが特徴で、それぞれ“陽の人参”、“陰の人参”と称されています。

 

3.アメリカ人参取引の歴史

 1716年、モントリオール州の森林に自生する西洋人参が、カナダイエズス会のフランソワ・ラフィト神父によって発見され、今日まで続くアメリカニンジンの中国への輸出が始まりました。毛皮商として知られるケンタッキー州出身のダニエル・ブーンは、人参貿易によって巨万の築き、アメリカニンジンはアメリカ独立戦争をささえたといわれています。別名の広東人参の名称は、広州や香港を経由して輸出されていたことに因みます。野生の大きな根はとくに高値で取引されたため、かつてはアパラチア山脈地方と、隣接するペンシルベニア州やニューヨーク州の森林に広く自生していましたが、現在ではアメリカ合衆国のほとんどの地域で見る事が稀になっています。

 

4.アメリカ人参の栽培

 最初にアメリカ人参が栽培されたのはだいたい1890年ごろですが、一般的に栽培されるようになったのは1930年代以降です。アメリカ人参の栽培の主要中心地は、今日では南西オンタリオ州のHaldimand-ノーフォーク領域、およびブリティッシュ·コロンビア州南部、ウィスコンシン州(主にマラソン郡、アメリカ人参の80%が栽培されている)です。

 米国ではまた、アメリカ人参はケンタッキー州、ノースカロライナ州、テネシー州および他の州で栽培されています。ウィスコンシン州では1991年に約545トンが生産されています。

 近年では、カナダの乾燥した野生根は、 kgあたりおよそ200.00ドルで販売されています。一方、栽培根はkgあたり約50.00ドル/で販売されています。1991年には、オンタリオ州では約295トンが栽培され、その価値は推定35百万ドルと見積もられています。

 ブリティッシュコロンビア州では、1992年に、約13百万ドルの価値がある約109トンの根が、同様に、約5百万ドルの価値がある種子約25トンが生産されています。カナダの人参生産は増加しています。最近の生産の約3/4が香港に送られています。

 植物のアメリカ人参は、成熟するのに5-7年かかり、種子や苗(1-3歳)から栽培されています。ローム質の土壌が最も適しており、スクリーンやラスによりもたらされる75%の日陰が不可欠です。この作物は真菌性疾患にかかりやすく、通常、殺菌剤処理だけでなく、良好な空気循環を必要とします。根の良好な収率は、ヘクタール当たり約4トンとわれています。オンタリオ州シムコーにセンターがあるカナダ人参生産者協会は、カナダの農家を助け、カナダの作物のために需要を促進しています。

 人参はアジア貿易の主要な商品です。人参の市場は極東全体で伸びており、比較的マイナーな利用は西側諸国においても存在しています。米国だけで5,6百万の人々が定期的に人参を消費しており、そしておそらく西側諸国では2千万人が使用しています。最近まで、北米の人参製品は、主に朝鮮人参を輸入していましたが、北米で栽培されるアメリカ人参が、同様に急速に北米で人気が高まっています。

 

5.アメリカ人参の保護

 1988年には、アメリカ人参は、カナダの絶滅危惧野生生物(COSEWIC)状況委員会によりカナダで「絶滅の恐れがある」として登録されました。1989年には、野生のアメリカの人参の輸出が、脅威の大きさの評価が保留中であるカナダから正式に中止された。絶滅危惧種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)は、その国が原産の人参の輸出が植物の生存を危うくしないことを示すことを必要とします。

  米国では、野生のアメリカ人参の収集と販売は、登録、許可、および公式シーズンの対象となっています。アメリカ人参は、過剰な収穫によりひどく数が減少している植物を保護する方法についての心強いモデルを提供しています。その手段には国家による保護と栽培の拡大の両方が含まれており、このように自然の個体群への圧力を低下させています。これらの自然の集団は、作物の改良のための遺伝的変異のために潜在的に重要な源です。

 

                          記 阿部俊暢

 

 

 

 

 

参考資料

 

*  フリー百科事典ウイキペデイア 日本語版

 

*  アダプトゲン:フレグランスジャーナル社

 

*  英国王立園芸協会ハーブ大百科

 

*  牧野和漢薬草大図鑑

 

*  独立行政法人国立健康•栄養研究所の「健康食品」の安全性•有効性情報web

 

*  Agriculture and Agri-Food Canada Webページ