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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2014年11月

2014年11月16日 (日)

タバコ由来の「plantibodiesがエボラとの戦いに参加する(2)

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のための海外ハーブ事情

第165回目の話題:“タバコ由来の「plantibodiesがエボラとの戦いに参加する(2)”です。前回の米国植物協議会  The American Botanical Council(通称「ABC」)の(ABC  HerbalEGram2014年8月号)のリンク記事の解説です。

http://cms.herbalgram.org/heg/volume11/August2014.html

 

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写真:フリー百科事典ウイキペデイアより

今回の話題は、いま世界中で問題となっているエボラ出血熱にたいするタバコ植物を利用したモノクローナル抗体製剤の開発の話題です。

1.エボラ出血熱とは

エボラ出血熱、またはエボラウイルス病は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症です。ヒトにも感染し、50-80%という死亡率を持つ種類も存在します。人類が発見したウイルスの内で最も危険なウイルスの1つと考えられています。

 潜伏期間は通常7日程度(最短2日、最長3週間以上)と言われています。WHOおよびCDCの発表によると、潜伏期間中は感染力はなく、発病後に感染力が発現します。発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈します。進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡することもあります。

  現在まで、エボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効な医薬品などは確立されていません。しかしエボラ出血熱に感染した後に回復した元患者には抗体があり、元患者の血液や血清の投与が唯一の有効な治療法とされています。また脱水に対する点滴や、鎮痛剤及びビタミン剤の投与、播種性血管内凝固症候群 (DIC) に対する抗凝固薬等の投与が行われています。(*フリー百科事典ウイキペデイア 日本語版より)

2.モノクローナル抗体とは

 抗体とは、リンパ球のうちB細胞の産生する糖タンパク分子です。抗体は主に血液中や体液中に存在し、体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどの微生物や、微生物に感染した細胞を抗原として認識して結合します。抗体が抗原へ結合すると、その抗原と抗体の複合体を白血球やマクロファージといった食細胞が認識・貪食して体内から除去するように働いたり、リンパ球などの免疫細胞が結合して免疫反応を引き起こしたりします。これらの働きを通じて、ヒトの感染防御機構において重要な役割を担っています。

 モノクローナル抗体(モノクローナルこうたい)とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体(免疫グロブリン)分子です。モノクローナル抗体は、バイオテクノロジーを利用して作られる、ただ1種類のB細胞が作る抗体のコピー、つまりクローンです。モノは「単一」、クローナルは「混じりっけのない集合」を意味します。特定の抗原だけに結合してやっつけることができる抗体を大量に作ることができるため、モノクローナル抗体は1990年代後半から、バイオテクノロジー産業に革命をもたらし、現在のバイオテクノロジー薬品のほぼ3分の1はモノクローナル抗体であるといわれています。

  モノクローナル抗体を作成するには、まずマウスに抗原を感作させます。つまり、抗原を注射します。すると、注射した抗原に対する抗体を産生する細胞ができます。この細胞をバイオテクノロジー技術を利用して抗体産生細胞を増殖させます(細胞融合・ハイブリドーマ形成)。

従来のマウスを利用する方法は高価なため、安く大量に作る研究も盛んに行われています。動物細胞、大腸菌や酵母で作ること、トウモロコシや大豆などの植物、卵、牛のミルクなどから抗体医薬品を作る研究が進められています。

3.      タバコとは

 タバコ(Nicotiana tabacum)は、ナス科タバコ属の多年性の亜熱帯性植物です。タバコ属には約50の種が含まれるていますが、大規模に栽培される種は、タバコの他とNicotiana rusticaの2種に限られています。葉の成分として有毒で習慣性の強いニコチンを含んでいます。

 ニコチン (nicotine) は、アルカロイドの一種の有毒物質です。天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持っています。ほぼ全ての生物に対して毒性を発揮するため、殺虫などの用途で使用されています。

 FAOの統計によれば、全世界の葉たばこの生産量は、635万トン(2002年)であり、全体の3割以上を中国1国で生産しています。日本の生産量は約5万トンで、主な産地は南九州と北東北です。

 

                       記 阿部俊暢

 

参考資料

*  フリー百科事典ウイキペデイア日本語版

*  中外製薬Webページ