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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2014年9月

2014年9月12日 (金)

ランブータン:次の人気のスーパーフルーツ? (2)

第159回目の話題:“ランブータン:次の人気のスーパーフルーツ? (2)”です。前回の米国植物協議会  The American Botanical Council(通称「ABC」)の(ABC  HerbalEGram2014年7月号)のリンク記事の解説です。

http://cms.herbalgram.org/heg/volume11/July2014.html

Hnep8

写真;フリー百科事典ウイキペデイアより

 

 今回は前号の続きです。ちょっと日本人にはなじみがうすい果物のランブータンについて紹介します。

1.ランブータンとは

  ランブータン (Rambutan, Nephelium lappaceum L.) は東南アジア原産のムクロジ科の中型から大型の熱帯の果樹です。マレー語で‘rambut’は「毛」「髪」を意味し、それに接尾辞-an(~もの)が付いて「毛の(生えた)もの」という語義を持っています。ランブータンは、おそらくマレーシア、インドネシアが原産だと考えられています。長い間マレーシアで栽培されており、現在では、その食用の果実のために、東南アジア全域、および中央アメリカ、オーストラリア、マダガスカルの一部で栽培されています。その果実は、ライチ、ロンガン、およびアキーム(それぞれ、Litchi chinensis, Dimocarpus longan, and Blighia sapida)などの同じ科の他の果物に似ています。

 ランブータンの木は、一般的には高さ15〜25m(50〜80フィート)にまで成長し、まっすぐな狭まった幹(幅60cm、または2フィート)と、密集して広がった樹冠を持っています。

 ランブータンの果実は、円形から長円形で長さ3-8cm、幅2-4cmです。その革質の果皮には柔らかい肉質の刺が密生し、色は、赤、オレンジ、ピンク、または黄色です。この果皮中に、ジューシーで、サクサクした、甘くやや酸っぱい味のする果肉(sarcotesta)があり、繊維状種皮(種皮)を持つたったひとつの種子を覆っています。 果実は多くは生の状態で売られていますが、ジャム、ゼリー、缶詰などでも利用されています。

2.ランブータンの栽培と収穫および貯蔵

 ランブータンは、熱帯性の果樹であり、気温範囲が22℃から35℃、2000〜3000mmの十分な降雨量の場所で、最もよく生育します。特に若い段階では、霜に対して耐用性がありません。成熟した木は4C程度の低温には短い期間であれば耐える可能性がありますが、ひどい落葉を伴います。pH5から6.5までの粘土質ローム土壌を好みますが、土壌タイプ、排水が不良持でも水に浸っていなければ、広い土壌の範囲で成長させることができます。

 ランブータンは、成長段階後期の果実の重量の最大の増加時で、果物がついてから収穫までおおよそ107日から111日を要します。タイでのランブータンの一般的な収穫スケジュールは、満開後90〜120日の間であり;マレーシアでは100日から130日、インドネシアでは90日〜100日の間です。ランブータンは、房ごとに収穫され、とりはずしのできる果物または果物の束として販売されています。束は、非常に装飾性が高く、しばしばフラワーアレンジメントで使用されています。

 ランブータンは、非クリマクテリック果実(果実の成熟の際に呼吸量が著しく増大する果実。そのため収穫後の貯蔵中に追熟を行うことができる。)であり、5から8日間周囲の常温で保存されたランブータンは、主として皮ととげから脱水により、その重量の19%から25%を失う可能性があります。このためランブータンは、10℃程度での低温貯蔵および水分保持材料の使用などにより保存する必要があります。

3.ランプータン栽培の現状

 ランブータンは食用果物として東南アジアで広く栽培されています。1987年から1988年におけるおおよその耕作エリアは、タイで71150ヘクタール(448500トン):インドネシアで43,000プラスヘクタール(199200トン)、マレーシアで2万ヘクタール(57,000トン)、フィリピンで500ヘクタールと報告されています。ランブータンは北半球では、5月から8月の間がピーク時であり、2月から9月まで利用可能です。タイはアジアおよびヨーロッパ諸国に生または缶詰のランブータンを輸出しています。 1983年に、タイから輸出された、生のランブータンは、缶詰の乱ブータンの2,430,000米ドルに比べて、179,000米ドと見積もられています。

 ランブータン生産はインドネシア、マレーシア、オーストラリア、フィリピン、ハワイで拡大しています。近年タイでは、生産過剰と低価格のために、多くのランブータンの農場がドリアン(Durio zibethinus J)の作付けに取って代わられています。

4.ランブータンの成分

 ランブータンの果肉100gの試料の成分は、82.1%の水、0.9%のタンパク質、0.3%の脂質、0.3%の灰分、2.8gのグルコース、3.0gのフルクトース、9.9 gのスクロース、デンプンは無く、2.8gの食物繊維、0.05%のリンゴ酸、0.31%のクエン酸、0.5mgのナイアシン、15mgのカルシウム、0.1から2.5mgの鉄分、70mgのビタミンC、0.01mgのチアミン、0.07ミリグラムのリボフラビン、140mgのカリウム、2mgのナトリウム及び10mgマグネシウムより構成されています。ランブータンの種子は、苦く、麻酔性があると言われており、サポニンの存在により有毒である可能性があります。白い食用の脂肪は、種子の乾燥重量の37%を構成しており、アラキドン酸(34.7%)、オレイン酸(45.3%)、ステアリン酸(13.8%)、ericosenoic(4.2%)及びパルミチン酸(2%)の脂肪酸で構成されています。完全な飽和グリセリドは約1.4%です。

5.ランブータンの利用

 ランブータンは、主にその新鮮なフルーツのため栽培されていますが、シロップの缶詰や、シチュー料理、ジャムとしても利用されています。カラフルな果物はしばしば花とフルーツのアレンジメントとしてディスプレイに使用されています。ランブータンの果皮はタンニンとサポニンが含まれており、乾燥して、ジャワでは医薬品として使用されています。マレーシアでは、その根は発熱の治療のために煎じ薬として:葉は湿布薬として、樹皮は舌の疾患のための収斂剤として使用されています。若い芽は、まずウコンで黄色に染めている絹を緑色にするために使用されます。果実の色素はシルクを黒色に染色するための成分の一つです。ローストした種子は食用であり、彼らは苦く、麻酔剤であると言われています。脂肪はカカオバターに似ており、アラキジン酸を高濃度で含んでいます。ランブータンの脂肪は食用であり、石鹸やキャンドルを作るために使用することもできます。

 6.日本でのランブータンの利用

 ランブータンは日本ではまだ一般的ではありませんが、冷凍果実や缶詰がネット通販で入手可能です。保存性のため生のものは難しいようです。

 

                           記 阿部俊暢

参考資料

*  フリー百科事典ウイキペデイア 日本語版 英語版

*  Encyclopedia of Life.org Webページ

*  montosogardens.com Webページ