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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2014年8月16日 (土)

エゾウコギ?アスリートのより良い強さとスタミナの秘密(2)

第155回目の話題:エゾウコギ?アスリートのより良い強さとスタミナの秘密(2)”です。前回の、米国植物協議会  The American Botanical Council(通称「ABC」)の(ABC  HerbalEGram2014年3月号)のリンク記事の翻訳記事の解説です。

http://cms.herbalgram.org/heg/volume11/March2014.html

 

Eleutherococcus_senticosus_leaves

写真;フリー百科事典ウイキペデイアより

 

1.      エレウトロ(エゾウコギ)とは

 エゾウコギ(Eleutherococcus senticosus:シベリアジンセン、エレウトロ )は、2m程度の高さに育つ、ウコギ科ウコギ属の灌木です。この植物は、ロシア、中国、韓国の北東アジアに生育しており、黒龍江で最も豊富です。そこでは森林の一般的な下草として、光の通らないやぶでしばしば大きく育ちます。日本では北海道に自生しています。

 この植物は、莫大な中国のハーブ薬物類の中で最も高く評価される薬用植物の一つであり、その根は、刺五加(しごか)または五加皮(ごかひ)という生薬名で知られています。

『私は、荷車1台分の金や宝石のより、むしろほんの一握りのWucha(五加)を持つであろう。』

と、-李時珍(1500年代後期の中国の有名な漢方医)は書いています。性機能を高め、生命の活力を高め、全体的な身体機能を正常化するために伝統的な中国医学で用いられるこの植物は、全体的な免疫力と活力を高めるダプトゲンハーブに分類されています。ウコギは、幅広い用途と利点を持つ非常に貴重な強壮剤と考えられています。

 

2.      ウコギ属について

 ウコギ属はウコギ科の属のひとで、落葉、または棘のある灌木30種ほどが、南アジアと東アジアに分布しています。日本には北海道に分布するエゾウコギのほかに、ヤマウコギ(オニウコギ;Eleutherococcus spinosus)、ミヤマウコギ(Eleutherococcus trichodon)、コシアブラ(Eleutherococcus sciadophylloides)などが生育しています。また、中国原産と考えられているヒメウコギ(ウコギ:Eleutherococcus sieboldianus)は各地で野生化しています。

 

3.中国及び日本での伝統的使用

 クリス•キルハムは、上紀の様に記載していますが、中国でウコギ(五加皮)と呼ばれる植物は、何種類かあり、どれも強壮剤として用いられています。ウコギ属を基源とする、南五加皮、刺五加、ガガイモ科の北五加皮(クロバナカズラ)などがありますが、北五加皮は毒性が強いので注意が必要です。日本では、ヤマウコギ、ヒメウコギ、エゾウコギなどのウコギ属の植物が“五加”五加木“五加皮”などの名で利用されています。平安時代中期の『本草和名』には五加という中国名で牟古岐(むこぎ)と読ませたヒメウコギが紹介されています。1603年(慶長8年)の『日葡辞書』には「根は薬用に、葉は和え物に、幹は酒に用いる」とあり、古来より広く利用されていた事が窺えます。

 上杉鷹山公が植えさせたとして有名な山形県の米沢市のウコギはヒメウコギだそうです。こちらは、根を強壮材として利用するほか、新葉を天ぷらや味噌和えなどで食べるようです。

 牧野和漢薬草大図鑑には、エゾウコギ、ウコギ(ヒメウコギ)、ヤマウコギ(オニウコギ)が記載されています。

 

4.現代の研究

 エゾウコギが脚光をあびるようになったのは、20世紀のロシアでのアダプトゲンとしての研究からです。アダプトゲンとはストレス適応力を高め、代謝機能を強化して、身体のバランスを回復してくれる優れた天然物のことです。近年の研究で、中国の科学者たちはロシアと同様に、ステロール、クマリン、フラボノイドや多糖類を含むウコギの多数の活性成分を発見しました。このなかでもエレウテロシドとして知られている化合物の仲間がその中心的な活性成分と考えられています。

 強壮剤としての効果はまだ十分に解明されていませんが、その特異的な免疫増強作用に関して、いくつかのことが知られています。ウコギの二つの多糖類は、食作用(保護細胞が有害な微生物、損傷した細胞や異物を飲み込む方法)、及び免疫によって作られる保護剤である保護Bリンパ球の促進により、特異的免疫力を強化することをしめしています。さらなる研究は、ウコギがいくつかの細菌や化学毒素から体を守るために役立つことを示しています。ロシアと中国の両方で実施されたれた人間の能力上でのウコギの効果についての研究では、ウコギが、熱、騒音および運動の増加を含む広範囲のストレス要因に対してのヒトの耐性を増加させることを示しています。 定期的に摂取した場合、ウコギは、作業の出力、耐久性、運動能力と精神的な敏捷性を増加させると考えられています。

 

5.安全性と日本での利用状況

 ドイツ薬草委員会(コミッションE)は高血圧のために禁忌を指摘していますが、米国のほとんどのハーバリストは、一般的にチョウセンニンジン( Panax ginseng )ルートより作用が穏やかであると考えています。

 メデイカルハーブ安全性ハンドブックの分類はクラス1(適切な使用において安全)です。

 

 国立健康•栄養研究所の健康食品の安全性•有効性情報には以下の記載があります。

・適切に短期間であれば経口摂取で安全性が示唆されている。

・妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用は避けること。

・副作用としては、軽い眠気、不安、いらつき、憂うつ、乳腺痛が起こることがある。長期摂取で、神経 (とくに坐骨神経) の興奮を起こし、筋痙攣にいたることもある。

 

 日本では、ハーブテイー(ドライハーブ)、チンキ、サプリメントの形で一般的に流通しており、入手することが可能です。  

                          記、 阿部俊暢

 

 

参考資料


*牧野和漢薬草大図鑑


*アダプトゲン:


*野外植物民俗事苑

*メデイスンハンター.com

*英国王立園芸協会 ハーブ大百科

*メデイカルハーブ安全性ハンドブック

*ABC拡張モノグラフ(エレウトロ)

*国立健康•栄養研究所の健康食品の安全性•有効性情報

 

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