Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

« 2014年1月 | メイン | 2014年3月 »

2014年2月

2014年2月25日 (火)

コーヒーは薬?日本の科学者が、心臓にどのように役立つかを示す(2)

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のための海外ハーブ事情

第133回目の話題:“コーヒーは薬?日本の科学者が、心臓にどのように役立つかを示す(2)”です。前回の米国植物協議会  The American Botanical Council(通称「ABC」)の(ABC  HerbalEGram2013年12月号)のリンク記事の翻訳記事の解説です。今回はコーヒーの木について解説します。

http://cms.herbalgram.org/heg/volume10/December2013.html

Coffea_arabica01

フリー百科事典ウイキペデイア英語版より

解説       

Coffea arabica in Guadeloupe

 

日付        2006年12月18日

原典        Picture taken with my IXUS 800 IS

作者        Liné1

 

1.コーヒーノキについて

 コーヒーノキ(コーヒーの木)は、アカネ科コーヒーノキ属(コーヒー属、コフィア属)に属する植物の総称で、主に常緑灌木と小木40種ほどが、熱帯アジアやアフリカに分布しています。一般的には、栽培種(アラビカコーヒーノキとロブスタコーヒーノキなど)を指します。

 アラビカコーヒーノキ(学名:Coffea arabica)は、エチオピアのアムハル高原に起源をもつとされるコーヒーノキ属の1種です。ロブスタコーヒーノキやリベリカコーヒーノキとともに「コーヒー3原種」のひとつに数えられています。世界に流通しているコーヒーの中でも最もよく飲まれている品種であり、本種に次いで流通量第2位のロブスタコーヒーノキと合わせると世界全体のコーヒー流通量のおよそ99パーセントを占めるといわれています。

 アラビカコーヒーノキはエチオピア中部から西部の山岳地帯における標高1000メートルから2500メートルの雲霧林に自生しています。現在の栽培種は、大部分が17~18世紀にエチオピアで採取された少数の原木に祖先をもつと言われています。

 代表的な栽培品種としては、テイピカ(コロンビアの主力品種)、スマトラ、モカ、ブルー・マウンテン、コナ、ブルボン(ブラジル•サントス)などが知られています。

 コーヒーノキは常緑で光沢を帯びた葉を持ち、周年でジャスミンに似た香りの白い花をつけます。実は鮮やかな赤~紫または黄色で、種子からコーヒーの原料となるコーヒー豆が採れるため、商品作物として熱帯地方で大規模に栽培されるほか、観葉植物として鉢植えでも利用されています。

 果実は初めは緑色、熟すと濃赤色になります。成熟果実を採取して果肉を除き、種子の内皮、種皮を除いて焙煎し煮出したものを飲用します。主にカフェイン、ポリフェノール等を含み、10世紀頃からアラブ地方で薬用として用いられ、眠気覚まし等に利用されてきたといわれています。

2.コーヒーの歴史と文化的な意義

 15世紀初頭に、コーヒーの低木は、アビシニア(エチオピア)からアラビアに紹介され、次の2世紀の間、アラビアは世界のコーヒーを供給していました。17世紀の終わりに、コーヒーの植物はオランダ人によって、バタビア(ジャカルタのインドネシア語)に導入されました。 フランスのルイ14世は、1714年にコーヒーの植物を贈られました。 たぶん、ブラジルからのすべてのコーヒーは、ひとつの植物からのものと考えられています。日本には18世紀後半に紹介されたといわれています。

 現代では、コーヒーは様々なドリンクで見られるカフェインの源であり、嗜好飲料として世界中で飲用され、また、キャンディー、アイスクリーム、リキュール、ペストリーの香料として使用されています。

3.コーヒーの薬用利用

 コーヒーは喘息、インフルエンザ、発熱、頭痛、黄疸、偏頭痛、マラリア、腎臓病、アヘン中毒、口内炎、めまい、のための民間薬であると考えられていました。アラブ人は発酵飲料から果肉を摂取し、一方インドネシアとマレーシアでは、浸剤の製剤のために乾いた葉を使用します。

 歴史的には、コーヒーは、外用として熱傷や火傷、またはヨウ素を組み合わせた消臭剤として使用されてきました。内用では 、コーヒーは、吐き気や嘔吐のために、脳の刺激剤や利尿剤として、ヘビの咬傷が原因の昏をかわすことを支援するために使用されてきました。 僧侶たちは祈りの延長時間に起きているためにコーヒーを使用します。未熟なコーヒー種子は伝統的なアーユルヴェーダ(伝統的なインドの)医学では頭痛のために使用されています。

 今回の研究を含め、現代では、自律神経系への機能性や抗酸化能など様々な研究がおこなわれています。コミッションE (ドイツの薬用植物の評価委員会) において、急性の下痢や口腔内粘膜の炎症に対して、治療目的での使用が承認されています。

 牧野和漢薬草大図鑑には以下のように記載されています。

“カフェインは中枢神経系を賦活して精神機能を更新し、運動中枢も刺激する。また、強心、利尿、血管拡張作用を有する。大量に用いると、不眠、不安、耳鳴りを起こす。一方クロロゲン酸には中心神経興奮作用および胃液、胆汁分泌促進作用がある。コーヒー豆は飲料として利用されるほか、医薬用カフェインの抽出製造原料として用いられる。” 

  コーヒの有効性としては特に以下のことが言われていますが、今後のより詳細な研究がまたれます。

・コーヒーやカフェインを含む飲料を日常的に摂取することにより、注意力、認知能力の低下を予防することが示唆されている。

・カフェインは睡眠不足に伴う精神活動低下および注意力低下を回復させる。

4.コーヒーの安全性

コーヒーはカフェインを含むため、摂取には注意が必要です。独立行政法人国立健康•栄養研究所の、健康食品の安全性•有効性情報データベースWebページには以下のように記載されています。

 ・適切に用いれば、経口摂取する場合はおそらく安全と思われるが、コーヒー浣腸薬は死に至ることがあるため、浣腸薬として直接腸内に投与する場合はおそらく危険と思われる。

・小児の場合、成人よりも有害作用が重篤になる可能性があるため、カフェインを含むコーヒーを経口摂取する場合は危険性が示唆されている。

・妊娠中・授乳中は、少量を経口摂取する場合は安全性が示唆されているものの、多量摂取では危険性が示唆されている。

・消化性潰瘍には禁忌。

・緑内障には禁忌。

・エフェドリンとの併用は高血圧、心筋梗塞、脳卒中、てんかんおよび死に至るリスクを高めるため、コーヒーとの併用は避ける。

  メデイカルハーブ安全性ハンドブックでは以下のように分類されています。

 クラス2b;2d-長期の使用は不可。定められた容量を超えないこと。その他禁忌対象者の項目参照。

クラス2b:妊娠中に使用しない、2d:特定の使用制限のあるハーブ

5.カフェイン

 カフェインは、アルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることからこの名があります。コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれていまし。また、一部の医薬品にも含まれています。なお、茶に含まれるカフェインはタンニンと結びつくためにその効果が抑制されることから、コーヒーのような興奮作用は弱く緩やかに作用するといわれています。 主な作用は覚醒作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用などです。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果がありますが、副作用として不眠、めまいなどがあらわれることが知られています。

 主に無水カフェインとして、カフェインの作用である鎮痛補助目的が主で一般消費者向けの総合感冒薬にも多く用いられています。一部では偏頭痛や抗癌剤などでの利用も行なわれています。

                          記 訳 阿部俊暢

参考資料

*  フリー百科事典ウイキペデイア 英語版、日本語版

*  牧野和漢薬草大図鑑

*  英国王立園芸協会 ハーブ大百科

*  メデイカルハーブ安全性ハンドブック

*  ABC(American Botanical Council)Webページ 拡張モノグラフ

*  独立行政法人国立健康•栄養研究所:健康食品の安全性•有効性情報データベースWebページ