Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

« 2013年10月 | メイン | 2013年12月 »

2013年11月

2013年11月24日 (日)

テイートリー油の品質と成分(2)

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のための海外ハーブ事情

第113回目の話題:“テイートリー油の品質と成分(2)”です。今回は前回の著名なアロマセラピストのロバート•テイスランドのブログの翻訳記事の解説です。

http://roberttisserand.com

800pxmelaleuca_alternifolia_maria_s

解説   

English: Melaleuca alternifolia in the garden of the villa Maria Serena in Menton (Alpes-Maritimes, France). Identified by botanic label.

Français : Melaleuca alternifolia dans le jardin de la villa Maria Serena à Menton, Alpes-Maritimes. Identifié par son étiquette botanique.

日付    see metadata

原典    投稿者自身による作品

作者    Tangopaso

 

 前号より続く。

 今回の話題の植物であるテイーツリーはオーストラリア原産のフトモモ科の植物で、近年は日本でもよく知られています。

 

1.テイートリーについて

 テイートリー(英: Tea Tree, 学名:Melaleuca alternifolia)は、フトモモ科メラルーカ属(Melaleuca)の常緑植物です。ティートゥリー、ティートリーともいいます。精油のティートゥリーオイル(英: Tea tree oil)はこの植物から得られます。

 メラルーカ属はマートルの仲間(フトモモ科)に属しており、約250種(そのうちのいくつかは観賞用として栽培されているペーパーバークを含む)が含まれています。ほとんどメラルーカ種はオーストラリアに限定されています。  

 18世紀の探検家であるキャプテン·ジェームズ·クックは、テイートリーの葉はスパイシーなお茶を淹れるため使用されていると報告していますが、共通名'テイートリー'は、メラルーカ属とLeptospermum属(ともにフトモモ科)のいくつかの植物に適用されており、彼が記載した正確な種は不明です。

 Melaleuca alternifoliaはオーストラリア原産で、クイーンズランド州から北東部ニューサウスウェールズ州の海抜300m以上の所で見る事ができます。

 

 ティートリーは、ふさふさのクラウン(花冠)と薄い樹皮を持つ、高7m程度の背の高い灌木または小さな樹木です。無毛の葉は渦巻状に縮れており、幅約1mm、長さ10〜35mmです。葉は目立ったオイル腺があり、芳香オイルが豊富です。葉は長さ約1ミリメートルの葉柄(葉茎)に保持されています。花序は、軸に短い毛を持ち3〜5センチメートルの長さで、多数の花の花穂がつきます。白い花は独立しており、それぞれ苞葉の中にあり、 長さ2〜3mmの花弁を持っています。30-60本の雄しべ(オス部)の束があり、雌しべ(メス部)は長サ3〜4mmです。果実は、カップ状で直径2〜3 mm、直径1.5〜2.5mmの穴を持ち、風によって種子の放出および分散を可能にしています。果実は、通常、まばらに枝に沿って配置されています。

 

2.テイートリーの使用について

 伝統的に、Melaleuca alternifoliaの砕いた葉は、皮膚の感染症を治療するためにオーストラリアの原住民によって使用されてきました。今日では、 M. alternifoliaは、精油のテイートリー油のために(特に北東部ニューサウスウェールズ州)商業用に栽培されており、スキンケア製品の防腐剤として、香水業界、そして石鹸やうがい薬で使用されています。オイルは、細菌、真菌およびウイルス感染に対して有効であり、水虫、いぼ、にきびおよび膣感染症などの症状を治療するための製品で使用されています。テイートリー油はまた、喘息および気管支炎のような呼吸障害を治療するために使用されます。

 安定させるために植えられています。その木材は、建設に使用され、その枝は垣根のために使用されます。

 

 近縁種には、カヤプト油の原料であるM. cajuputi 、そしてアボリジニの樹皮絵画のために使用され、ニアウリ油の原料であるM. quinquenervia(広葉ペーパーバーク)が含まれています。

 

3.テイートリーの栽培

 Melaleuca alternifoliaは亜熱帯気候土壌の広い範囲で栽培することが可能ですが、日光が豊かな水はけの良い、湿った土壌で栽培するのが最もよいといわれています。それは強い剪定によく反応します。テイーツリーは耐乾性であり、洪水や火災に耐えることができますが、耐霜性がありません。

 商業栽培は、高密度で種を植えた後、精油を収穫するために6-18ヶ月毎にグランドレベルの近くで全植物をカットバック( coppicing )することが含まれています。オイルは、葉および小枝の端末の水蒸気蒸留によって抽出されます。

 

4.テイートリーの含有成分

 テイートリーに含まれている成分には以下のものがあります。

<含有成分>

 テルピネン-4-オール、1.8シネオール、αおよびγテルピネン 

 

 この中で今回の記事で取り上げられた、テルピネン-4-オールは、モノテルペンアルコール類に分類される成分で、副交感神経強壮作用、鎮痛作用、鎮静作用、抗炎症作用などがあると言われています。テイートリー精油の中心をなす成分で、記事にもあるようにオーストラリアではその含有量の規準を30%以上としています。

 天然の植物は、その生育環境等により当然成分の含有量にバラツキがあります。オーストラリアで規準が決められているのは、稀釈などによる粗悪品を防ぐためのあくまで目安であるということです。ローバート•テイスランドが記事でも述べているように、テルピネン-4-オールの含有量とテイートリーオイルの効能を含む品質の間の直接の相関関係は証明されていません。テルピネン-4-オールの効能そのものについても、実験段階でその効果が示逡されているというその程度のものです。

 最近、特に健康食品、サプリメントなどの販売において、成分表示などについての過大表示が問題になっていますが、数値の一人歩きは、不純物混和などの新たな問題を引き起こしています。この記事はこのような風潮に著者が警鐘をならしている記事であるといえます。

 

 

5.テイートリーの安全性

 テイートリーの利用はもっぱらその精油の利用であり、茶材などとしては利用されていません。そのためか、メデイカルハーブ安全性ハンドブックには未収載です。同属のニアウリ(Melaleuca viridiflora)は、ドイツEコミッション(ドイツ薬草委員会)で承認されたハーブです。

 健康食品データベースでは、経口以外で適切に局所投与する場合は安全性が示逡されていると記載されています。

                            記  阿部俊暢  

    

参考資料

*  フリー百科事典ウイキペデイア 英語版

*  キューガーデンWebページ テイートリー

*  英国王立園芸協会ハーブ大百科

*  「健康食品データベース」:独立行政法人国立健康•栄養研究所監訳

*メデイカルハーブ安全性ハンドブック