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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2013年4月

2013年4月25日 (木)

仙台市野草園の春(3)コブシ

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のためのボタニカル講座
第24回目の話題: “仙台市野草園の春 (3)コブシ”
今回も、仙台市野草園で4月8日に撮影した植物より、早春の代表的な植物を紹介します。今回はコブシです。
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1.コブシとは
 コブシ(辛夷、学名:Magnolia kobus)はモクレン科モクレン属の落葉広葉樹です。高さ18m、幹の直径が概ね60cmに達する高木で、3月から5月にかけて、枝先に直径6-10cmの花を咲かせます。花は純白で、基部は桃色を帯びます。樹皮は灰色で小枝は緑色をしており、折るよい香りを放ちます。北海道から九州および朝鮮半島南部に分布しています。
 北国の花のイメージがありますが、北海道のWebページには、以下の花にまつわるエピソードが記載されています。
“北海道では桜に先がけて咲き、花付きのよい年は豊作になると言われることから、別名マンサクともよばれる。アイヌの人々はこの木をオマウクシニ(いい香りを出す木)と呼んでいたが、伝染病が流行している時には病魔が香りに魅せられてやって来ないように、オプケニ(オナラをする木)とわざと名前を変えて呼んだと言われる。”
2.モクレン(Magnolia)属の植物
 モクレン属は、モクレン科の落葉性または常緑性の高木または低木で、約125種類が北米東部からベネズエラまでと、ヒマラヤ東部から東アジアや東南アジアまで分布しています。さまざまな種類が北米およびアジアで薬用として使用されてきました。
 北米では、もともと先住民に使用され、その後、Magnolia virginiana(ヒメタイサンボク)、Magnolia acuninata(キューカンバ•ツリー)、Magnolia tripetala(アンブレラ•ツリー)の樹皮は主にリウマチ薬として米国薬局方に収録されていた歴史があります。
 中国や日本では、Magnolia officinalis(カラホオノキ)や中国産のMagnolia obovataの樹皮は生薬名を厚朴といい、胸腹部の膨満、疼痛、下痢などの漢方薬に配合されています。
 Magnolia kobus(コブシ)、Magnolia salicifolia(タムシバ)、中国産のMagnolia biondii(ボウシュンカ)、Magnolia sprengeri、Magnolia donudata(ハクモクレン)の花蕾は生薬名を辛夷といい、頭痛、鼻炎、歯痛などの漢方薬に使われています。
 メデイカルハーブ安全性ハンドブックには、Magnolia liliflora(モクレン、使用部位:花)、Magnolia officinalis(カラホウノキ、使用部位:花、樹皮)、Magnolia virginiana(ヒメタイサンボク、使用部位:樹皮)の3種類が記載されています。
 安全性については、カラホウノキの樹皮のみがクラス2b分類(妊娠中は禁忌)で、他はクラス1分類(適切な使用で安全)です。
3.コブシの薬用利用
 もともと辛夷(コブシ)とは中国では、上記Magnolia biondii(ボウシュンカ)、Magnolia sprengeri、Magnolia donudata(ハクモクレン)やMagnolia liliflora(モクレン)の花蕾のことを指していましたが、日本には生育していないため、Magnolia kobus(コブシ)、Magnolia salicifolia(タムシバ)で代用されました。辛夷はアルカロイドのさsalisifolineなどを含んでおり、(葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯)に配合されています。どちらも鼻詰まりの改善を期待する漢方薬です。
 牧野和漢薬草大図鑑には、“辛夷の水浸エキスは特に鼻詰まり、蓄膿症に有効とされている。”との記載されています。
4.辛夷の購入
 漢方薬局の生薬のネット通販サイトで入手可能なようです。500gが3300円で販売されていました。
                           記 阿部俊暢  
参考資料
 フリー百科事典ウイキペデイア 日本語版
 牧野和漢薬草大図鑑
 メデイカルハーブ安全性ハンドブック
 最新薬用植物学
 英国王立園芸協会 ハーブ大百科
 北海道のWeb