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阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。

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2012年6月

2012年6月30日 (土)

イブキジャコウソウ

ハーブ•アロマテラピーを学ぶ方のための ボタニカル講座
第6回目の話題: “東北大学植物園(6)”
今回は、6月29日に撮影した、東北大学植物園の植物です。反が少ないロックガーデンで満開に咲いていた“イブキジャコウソウ”です。

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日本のタイム「イブキジャコウソウ」
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草、学名:Thymus quinquecostatus )はシソ科タイム属の小低木。

「タイム(Thyme)」は、数あるハーブの中での最も抗菌力の強いハーブとして知られています。中世では、タイムは勇気と活力を与えることができる植物とみなされ、女性はしばしば自分の好きな騎士の贈り物にタイムの小枝を刺繍したと言われています。薬用としては、風邪、気管支炎、咽頭炎などに利用され、また食あたりや、消化不良などにも用いられます。ドイツコミッションEでは、タイムは、気管支炎、百日咳、および上気道の炎症の治療への内服適用につい承認されています(ABC 拡張Eモノグラフ)。
 一般に「タイム」という名で呼ばれる植物はヨーロッパ原産の「タチジャコウソウ」" Thymus vulgaris L."のことです。英名で"Common thyme"、"Garden thyme"あるいは"French thyme"などと呼ばれています。しかし、同属の他のいくつかの種も、「タイム」と呼ばれ、ハーブとして利用されています。「イブキジャコウソウ」もその1種です。
 Thymus属(タイム属)の植物は、ヨーロッパ、アジア、アフリカなどに約35種が分布していますが、これらの種の中で、唯一日本に自生しているのが、「イブキジャコウソウ」です。「イブキジャコウソウ」は、「タチジャコウソウ」に極めてよく似た含有成分や、香りを持っています。
 「イブキジャコウソウ」は、北海道から九州までの日本列島と、中国、ヒマラヤ、アフガニスタンにかけての温帯から寒帯地域に分布しています。

“「イブキジャコウソウ」の全草は、生薬「百里香」と呼ばれ、薬用に使われる。花期に、地上部を採取し、水洗いして陰干しする。これに熱湯を注いで、ハーブティーとして、服用する。芳香成分には、発汗作用や、利尿作用、強壮作用のあることが知られている。また、血行をよくし、消化を助ける作用があるとのことである。これを、たん痰や、咳、風邪、頭痛、気管支炎、咽頭炎などの治療に利用される。また鎮痛、鎮咳、駆虫薬としても使われる。「イブキジャコウソウ」は、また、開花時に地上部を刈り取り、香りつけの目的で、浴湯料に配合される。食用としても、煮物の香りつけに使われる。”
       *日本新薬株式会社のHPによる。
ネット上に上記記述がありましたが、最新薬用植物学(廣川書店)にはイブキジャコウソウは記載されていませんでした。
 

*伊吹山薬草園
イブキジャコウソウは、伊吹麝香草と書き、名前の由来は、滋賀県の伊吹山に多く自生し、麝香のような香りがすることからとされています
 伊吹山にはポルトガル宣教師の進言を受け、織田信長により薬草園が作られていたことはよく知られています。50ヘクタールという広大な薬草園には、西洋からもってきた薬草が3000種類も植えられていたと言われています。「キバナノレンリンソウ、イブキノエンドウ、イブキカモジクサ」など他で見られない帰化植物が現在でも見られるのがその証拠であるとされています。イブキジャコウソウも日本で唯一のタイムであるため、薬草園との関連性を想像しましたが、その生育範囲を考えれば、そのようなことはないようです。


                                        記 阿部俊暢